フィクション?ノンフィクション?

野辺元首相「腐敗政治をここで絶つには、私が、責任を取ることでしか為し得ない」

 

野辺元首相「君の不注意で起こしてしまった案件じゃないか。それで、君が易々と『全ては私の責任です』と謝罪してどうなる?君的には『潔い政治家』として清廉なイメージを残せるだろうが、そもそも、君の管理不行き届きが原因なのだよ。それで、君だけ、まんまと修羅場を乗り切って、残るものはなんだ?貴民党の敗北だよ。君はそれで、良心が痛まないのかね?今までの仲間を奈落の底に落としてしまうんだよ」


笹生氏「悪いことは言わん。もう少し、もう少し耐えてくれ。良心の呵責が仲間や未来の日本を救う妨げになるのは、日本国民にとっても不幸になることもあるんだよ」


一棟氏「笹生氏の言うとおりだ。いま、日本は、有史以来の危機に瀕していると言っても過言ではない。いま、そんなときに、野党に政権を渡してなんになる?余計に日本を破滅の道にいざなうようなもんじゃないかね」

 

笹生氏「ただ、嘘が、こうも簡単にまかり通る政府を作ってしまったら、貴民党の、その責任は百代の末裔まで残りませんか?」

笹生氏「気持ちは分かるが、頼む、どうにか、乗り切ってくれ」

 

一棟氏「人道的に悩むだろうが、全ては提川氏の責任で収めてくれ。彼の処遇は、貴民党が全て責任を取る。勿論、彼の家族や将来もだ」

 

野辺元首相「提川氏は、確かに、私に嘘をついた。ただ、彼は、私を守ろうとしたんだ。それを、それを、彼の全面的な責任にするなんて」


一棟氏「彼には話を付けてある。100万円の罰金で済むように手配もしてある」


野辺元首相「やっぱり、こんなこといけないんだ!私の甘さから出た錆びではある!それでも、こんな政治は、日本が、これからの試練を乗り越えようとする国の政治であってはならないんだ!」


野辺元首相「私の財をなげうっても、提川くんの生涯は保障します!」


笹生氏「君と、提川くんの生涯は、それでも良いだろう。だが、貴民党と党員の行く末はどうなるんだ?」


野辺元首相「く……」。


→いまココ。